中古で売却される不動産のなかには、競売物件と呼ばれるものがあります。
裁判所を通して購入できる物件のことで、通常の中古物件と異なる特徴があります。
そんな競売物件とはどのようなものなのか、購入にあたってのメリット・デメリットとともに確認していきましょう。
不動産購入で検討したい競売物件とは?
競売物件とは、ローンを返済できなくなったなどの理由で、担保の土地・建物が強制的に売却されているものを意味します。
売主は存在せず、一連の手続きは裁判所を通しておこないます。
不動産購入にあたっては、一定期間に入札がおこなわれ、最高価格をつけた入札者が落札可能です。
入札の流れ
公告された情報をもとに、いくらで買いたいかを決定して入札します。
なお入札に当たっては、保証金(売却基準額の2割)も必要です。
入札締め切りからおよそ1週間で開札となり、最高価格をつけた方が買受人に選ばれます。
そして支払い済みの保証金を差し引いた代金の納入をもって、不動産の所有権が移転されます。
不動産購入で競売物件を選ぶメリット
競売物件は、相場よりも安く購入できるメリットがあります。
事前に内覧できないなどのリスクはあるので、あらかじめ相場の3割から5割程度安く価格が調整されています。
また不動産会社を媒介しないので、市場に流通していない物件に出会えるのもメリットの一つです。
さらに所有権移転登記や抵当権の抹消登記といった手続きは、裁判所がおこないます。
そのため購入者は入札用紙といった必要書類の提出と、保証金・購入代金を納付すれば手続きが完了するメリットもあります。
不動産購入で競売物件を選ぶデメリット
競売物件のデメリットとは、売主が存在しない点があげられます。
そして裁判所が差し押さえている物件ではあるものの、住人が退去せず不法占拠している可能性があります。
もし落札しても退去しない場合は、購入者自身が裁判所に、引き渡し命令の申し立てをしなければなりません。
このほか落札前に内覧はできないので、物件明細書や現況調査報告書、評価書などの書類で不動産情報を判断する必要があります。
そのため可能なら、物件に足を運んで外から見てみるようにしましょう。
さらに落札の取り消しは認められないため、入札は慎重におこなわなければなりません。